タイトル |
ハイミー事件 (最判 昭46.7.20)
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まとめ |
@権限なく指定商品の包装に登録商標を付したものを販売する目的で所持する場合、その中身が商標権者自身の製品でしかも新品であることは、商標法37条2号、78条の罪の成立になんら影響を及ぼさない。
A特段の美観要素がなく、専ら運搬用商品保護用であるとしても、商品を収容している容器としての段ボール箱は、商標法37条2号にいう「商品の包装」にあたる。
B商標法37条2号の行為は、必ずしも業としてなされることを必要としない。
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内容(全文) |
主 文
本件各上告を棄却する。
理 由
弁護人笈川義雄の上告趣意のうち、憲法三一条違反をいう点の実質は、すべて事実誤認または単なる法令違反の主張であり、判例違反をいう点は、引用の判例は事案を異にして本件に適切でなく、その余の論旨は、事実誤認、単なる法令違反、量刑不当の主張であつて、いずれも適法な上告理由にあたらない(正当な権限がないのに指定商品の包装に登録商標を付したものを販売する目的で所持する場合、その中身が商標権者自身の製品でしかも新品であることは商標法三七条二号、七八条の罪の成立になんら影響を及ぼさないものであり、次に、特段の美観要素がなく、もつぱら、運搬用商品保護用であるとしても、商品を収容している容器としての段ボール箱は同法三七条二号にいう「商品の包装」にあたり、また、同条号の行為は必ずしも業としてなされることを必要としないものというべきである。したがつて、これと同趣旨の原判断は、いずれも正当である。)。
よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
昭和四六年七月二〇日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 関 根 小 郷
裁判官 下 村 三 郎
裁判官 松 本 正 雄
裁判官 天 野 武 一
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