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タイトル

最判 平1年11月10日

まとめ


公開公報に掲載されることは、法三〇条一項の「刊行物に発表」には該当しない
  ∵「刊行物に発表」するとは、特許を受ける権利を有する者が自ら主体的に刊行物に発表した場合をいう
  ⇒特許を受ける権利を有する者が自ら主体的に当該発明を刊行物に発表したものということができない

内容(全文)

主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         
理    由
 上告代理人湯浅恭三、同大場正成、同酒井正之、同社本一夫の上告理由について
 特許を受ける権利を有する者が、特定の発明について特許出願した結果、その発明が公開特許公報に掲載されることは、特許法三〇条一項にいう「刊行物に発表」することには該当しないものと解するのが相当である。けだし、同法二九条一項のいわゆる新規性喪失に関する規定の例外規定である同法三〇条一項にいう「刊行物に発表」するとは、特許を受ける権利を有する者が自ら主体的に刊行物に発表した場合を指称するものというべきところ、公開特許公報は、特許を受ける権利を有する者が特許出願をしたことにより、特許庁長官が手続の一環として同法六五条の二の規定に基づき出願にかかる発明を掲載して刊行するものであるから、これによって特許を受ける権利を有する者が自ら主体的に当該発明を刊行物に発表したものということができないからである。そして、この理は、外国における公開特許公報であっても異なるところはない。 したがって、原判決は結論において是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。
 よって、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    島   谷   六   郎
            裁判官    牧       圭   次
            裁判官    藤   島       昭
            裁判官    香   川   保   一
            裁判官    奧   野   久   之

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